北谷町|世界はこんなにも広くて、不思議だった「佐藤健寿展 奇界/沖縄」
「世界には、まだこんな景色があるんだ。」
写真を見ているだけなのに、まるで自分もその場所へ旅をしているような、不思議な感覚になった今回の写真展。
世界120カ国以上を旅し、人類が生み出した建造物や信仰、祭り、自然、そして宇宙開発までを撮り続けてきた写真家・佐藤健寿(さとうけんじ)さん。その独創的な視点で切り取られた作品が、沖縄で初めて展示されています。
今回は子どもたちと祖父母も一緒に、家族三世代で訪れました。同じ写真を見ても、それぞれ心に残るものは違うもの。だからこそ、展示を見終えたあとも自然と会話が弾み、「世界って面白いね」と家族で感じられる時間になりました。
会場となる北谷町立博物館の魅力もあわせてご紹介します。
親子三世代で楽しむ写真展
世界をのぞき見しているような、不思議な写真展
展示室へ一歩足を踏み入れると、そこには世界中の”不思議”が広がっていました。
巨大な建造物、独特な信仰や祭り、人の気配を残したまま自然に飲み込まれていく建物、宇宙開発の現場…。
どの作品も、「これ、本当に同じ地球なの?」と思ってしまうほど印象的で、気づけば一枚一枚に引き込まれていました。
でも、この写真展の魅力は、ただ珍しい景色を見ることではありません。
「どうしてこの場所へ行こうと思ったんだろう。」
「どんな人たちが、どんな想いで暮らしているんだろう。」
写真を見つめていると、自然とその向こう側にある物語まで想像したくなります。
世界120カ国以上を旅し続けてきた佐藤健寿さんだからこそ出会えた景色は、まるで自分も世界を旅しているような感覚を味わわせてくれました。

そして、ぜひ見てほしいのが約30分の映像上映です。
写真では伝わらない空気や音、人々の表情が映し出され、まるでその場に立っているような没入感があります。映画ともドキュメンタリーとも少し違う、「本当に存在する世界」を目の前で体感しているような時間でした。
見終えた頃には、「世界って広いね」という言葉だけでは表せないほど、知らない世界への好奇心が膨らんでいました。
同じ写真でも、見える景色はみんな違う
今回は、子どもたちと祖父母も一緒に訪れました。
同じ作品を見ていても、心に残るものは本当に人それぞれ。

小学5年生の息子は、
「写真家さんの『見たい!』『知りたい!』という気持ちがすごいと思った。学校では勉強として学ぶことが多いけど、写真展は『もっと知りたい』って思えるから面白かった。」
と話していました。
写真そのものだけではなく、その場所へ向かった写真家の探究心に心を動かされたようです。
小学3年生の娘は、
「なんか全部、奇妙だった!エイリアンのやつとか、変わった被り物が面白かった!」
と、不思議な世界を思いきり楽しんでいました。
祖父は、
「なんか昔の沖縄を思い出すなぁ。なかなか行けない場所の人たちの暮らしを見られるのが貴重だね。もうなくなるかもしれない村や、自然に飲み込まれた建物を見ると、時代の流れも感じる。」
と、これまで歩んできた人生と重ねながら作品を眺めていました。
祖母は、
「世界中で宗教や祭りの形は違っても、目に見えないものを大切に思う気持ちは同じなんだね。」
と、写真の奥にある人々の想いを感じ取っていました。
そして私は、世界中の人たちが何かを信じ、文化を育み、未来へつないできた景色を見ながら、「私たちが当たり前だと思っている毎日も、誰かから見れば不思議な世界なのかもしれない」と感じました。
子育てをしていると、毎日はあっという間に過ぎていきます。
でも、こうして家族で知らない世界に触れ、「私はこう思ったよ」「ここが面白かったね」と話す時間は、大人にとっても子どもにとっても、とても豊かな時間だったように思います。

写真展とあわせて立ち寄りたい、北谷町立博物館
今回の写真展の会場は、2024年11月に開館した北谷町立博物館です。
到着して最初に目を奪われたのは、沖縄の青空と豊かな緑に映える、モダンなコンクリート造りの建物でした。


沖縄の風土を考えて設計された建物は、打ちっぱなしの重厚感ある外観でありながら、周囲の自然と心地よく馴染んでいて、その姿はまるで美術館のようで、建物を眺めているだけでも写真展への期待が高まりました。
「博物館」と聞くと少し身構えてしまう方もいるかもしれませんが、ゆんたくコーナーや図書コーナーもあり、親子でゆっくり過ごしたくなるような居心地の良さがありました。
館内には、北谷町で発掘された土器や、当時の暮らしを再現したジオラマ、迫力あるクジラの標本などが展示されています。
常設展示場は入館無料でした。無料とは思えないほど見応えがあり、子どもたちもジオラマを見ながら「北谷って昔はこんなだったんだね!」と興味津々。
さらに博物館は、国指定史跡「伊礼原遺跡(いれいばるいせき)」と一体となっています。
展示室で出土品を見たあとに実際の遺跡を歩いてみると、「ここで本当に縄文時代の人たちが暮らしていたんだ」と、歴史をより身近に感じることができました。
世界へ目を向ける写真展と、自分たちが暮らす沖縄の歴史。
その両方に触れられることも、この場所ならではの魅力です。
開催概要
佐藤健寿展 奇界/沖縄
【開催期間】
2026年7月18日(土)〜9月23日(水)
【開館時間】
11:00〜17:00(最終入場16:30)
【休館日】
7月21日・23日・27日、8月3日・10日・12日・17日・24日・27日・31日、9月7日・14日
【入場料】
一般 1,500円(前売1,200円)
大学・専門・高校生 1,200円(前売900円)
小・中学生 600円(前売500円)
3歳以上 300円(前売200円)
まとめ
世界には、まだ知らない景色や文化、そして人々の暮らしがあります。
「佐藤健寿展 奇界/沖縄」は、その世界を写真を通してのぞかせてくれる特別な写真展でした。
子どもは「なんで?」「面白い!」という純粋な好奇心で、大人はこれまでの経験や価値観と重ねながら、それぞれ違う楽しみ方ができます。そして展示を見終えたあとに家族で感想を話し合う時間までが、この写真展の魅力なのかもしれません。
会場となる北谷町立博物館では、沖縄の歴史にも触れられるので、1日を通してたくさんの発見があります。
いつものおでかけとは少し違う、世界の広さや奥深さに出会える時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。








