うちなースタイル|沖縄県民の台風あるある!

うちなースタイル|沖縄県民の台風あるある!

「スーパーからパンが消える」「お風呂に水をためる」――。
沖縄で暮らしていると、毎年やってくる台風に合わせて、自然と“台風モード”に切り替わります。
本土出身の人にとっては驚くことばかりですが、沖縄の人たちにとっては当たり前の光景。
もちろん災害への備えは欠かせませんが、その一方で家族みんなで過ごす「非日常の時間」として楽しんでいる家庭も少なくありません。

今回は、沖縄ならではの“台風あるある”や、台風の日の過ごし方についてまとめました。

「台風=怖い」だけじゃない。沖縄の“台風あるある”と、ちょっと特別な過ごし方

本土出身者が驚く、沖縄の台風文化

沖縄へ移住してきた人が、最初に驚くことの一つが「台風との距離感」。

本土では、台風が来ると「外出を控える」「家で静かに過ごす」というイメージが強いですが、沖縄では少し違います。

「みんな飲みに行く」

「レンタルビデオ店が混む」

そんな話を聞いて、「えっ!?」と驚いた本土出身のママも多いはず。

特に印象的なのが、“台風の規模感”の捉え方。

沖縄の人は「950hPaならヤバい」「1000近ければまだ大丈夫」など、ヘクトパスカル(hPa)の数字だけで、なんとなく危険度を把握しています。

しかし、本土出身者からすると、その数字だけではピンと来ないことも。「沖縄出身の夫の言っていることが分からない」と戸惑う本土出身者も多いのではないでしょうか。

そして忘れてはいけないのが“塩害”。台風後、車やベランダ、室外機が塩でベタベタになることに驚く人も少なくありません。沖縄では、台風が過ぎたあとに洗車場が混むのも、ある意味“風物詩”です。

 

台風前日のスーパーは、まるで戦場!?

沖縄で台風が近づくと、まず始まるのが“買い出し”。

スーパーでは、パン・カップ麺・レトルト食品・お菓子・飲み物が一気になくなります。
特に離島では、「台風発生」のニュースが出た時点で、パンや牛乳、カップラーメンが消えることもあるそう。

「ユニオンが閉まったらヤバい」

そんな言葉が出るほど、24時間営業のスーパーは“最後の砦”のような存在。最近は早めに閉店する店舗も増えてきていますが、「ユニオンが開いているかどうか」を台風の大きさの判断基準にしている人もいます。

また、停電対策として、

・ペットボトルの水を準備

・浴槽に水をためる

・懐中電灯や乾電池を確認

・モバイルバッテリーをフル充電

・ガソリンを満タンにする

など、“台風前ルーティン”を行う家庭も多くあります。

意外と知られていないのが、マンションの断水問題。停電するとポンプが止まり、水が出なくなることがあります。そのため、沖縄では「お風呂に水をためる」が定番。

さらに、ベランダに置かれた洗濯機が飛ばされないよう、洗濯槽いっぱいに水をためるという知恵もあります。

 

台風の日は、なぜかご飯が豪華になる

停電に備えて、冷凍庫の中を消費しようとすると、なぜか食卓が豪華になる――。

これも沖縄台風あるある。

冷凍していたお肉や魚、アイス、作り置きなどを「今のうちに食べよう!」となり、いつも以上に豪華なご飯になる家庭もあります。

この日だけは、アイスをたくさん食べても怒られることはありません(笑)

また、台風の日の定番メニューとしてよく聞くのが、

・ヒラヤーチー

・冷やしそうめん

・カップ麺

など、“簡単に作れて洗い物が少ない料理”。停電するとIHや電子レンジが使えなくなることもあるため、「すぐ食べられるもの」はかなり重要です。

そして、子どもたちにとって楽しみなのが、お菓子の買い込み。

「今日は特別ね!」と、普段より少し多めにお菓子を買ったり、ジュースを準備したり。

DVDを観ながら“お菓子パーティー”をする家庭もあります。

 

“明日休みかも”のワクワク感は、大人になっても変わらない

沖縄の子どもたちにとって、台風は“休校チャンス”でもあります。

「明日学校休みかな!?」

「バス止まるかな!?」

テレビの台風情報を見ながら、家族みんなでソワソワ。夜更かししながらDVDを観て、お菓子を食べて、「明日は絶対休み!」と期待して眠る――。

しかし翌朝。

「台風、もう抜けてる……」

速度が速く、一晩で通過。朝から青空が広がり、“通常登校確定”で絶望する。
そんな経験をした沖縄県民は多いはずです。

また、大人になると「路線バスが止まるか」が重要なポイントに。沖縄では、路線バスの運行状況によって、出勤・休校が決まる職場や学校も少なくありません。そのため、台風の日は天気予報だけでなく、「バス情報チェック」も欠かせません。

 

昔の沖縄の台風の思い出

今のようにスマホも天気アプリもなかった時代。昔の沖縄では、窓ガラスの隙間に新聞紙を詰め込み、雨風が入ってこないようにしていた家庭も多かったそうです。

また、アメリカ統治時代の影響もあり、「6チャンネルのアメリカ番組で台風情報を見ていた」という声も。

停電の中、ろうそくの灯りで過ごした時間。家族みんなでヒラヤーチーを食べた思い出。

映画館へ避難するように遊びに行った記憶。

不便だったはずなのに、なぜか楽しかった。そんな“台風の思い出”を語る人は少なくありません。

 

台風は怖い。でも、自然に必要な存在でもある

もちろん、台風は大きな災害を引き起こすことがあります。

停電や断水、浸水、強風被害など、命に関わる危険もあります。

だからこそ、備えはとても大切。でも一方で、台風は自然界にとって必要な役割も持っています。

・雨を降らせ、水不足を防ぐ。

・海水をかき混ぜて海の温度を下げる。

・サンゴや魚たちの生態系を守る。

自然の循環の中では、悪いことばかりではないのかもしれません。

被害は少ないに越したことはありません。それでも、沖縄の人たちは昔から、“台風と共に暮らす知恵”を身につけてきました。

少し怖くて、少し不便で、でもどこか特別。

そんな「台風の日」を、家族でゆっくり過ごしてみるのも、沖縄らしい時間の過ごし方なのかもしれませんね。