CHOICE|赤ちゃんと通えるヨガ教室「Yoga Coral」新里美月さんインタビュー

CHOICE|赤ちゃんと通えるヨガ教室「Yoga Coral」新里美月さんインタビュー

「私らしく」活躍しているママたちに会ってみたい!

彼女たちが今に至るまで、どんな選択や決断をしてきたのか。

「CHOICE」は、沖縄で活躍する女性に焦点を当て、ママとして、そして一人の女性として毎日を全力で楽しむための「秘訣」を紹介するインタビューシリーズです。

仕事や家庭、育児など、日々の生活の中で奮闘する女性たちにとって、少しでも前向きに過ごすためのプラスαのヒントをお届けすることを目的としています。

同じ境遇で頑張る皆さんが共感でき、すぐに実践できるようなアイデアやアドバイスを引き出し、ポジティブなエネルギーを広めたいと考えています。

第5回目は、沖縄県内で「赤ちゃんと通えるヨガ教室 Yoga Coral(ヨガ コーラル)」を運営する、新里(しんざと)さんにお話しを伺いました。

憧れの沖縄移住が一転。孤独な育児生活に苦しみながらも好きを仕事に

新里美月さん

CHOICE

新里美月さん

「赤ちゃんと通えるヨガ教室 Yoga Coral(ヨガ コーラル)」代表。
宮城県出身、結婚を機に沖縄へ移住。3人のママ。
知り合いのいない土地で、孤独な子育てを経験。現在は育児をしながらヨガインストラクターとして活躍し、同じように子育てをがんばるママたちの居場所づくりに力を注いでいます。

「赤ちゃんと通えるヨガ教室 Yoga Coral(ヨガ コーラル)」代表。
宮城県出身、結婚を機に沖縄へ移住。3人のママ。
知り合いのいない土地で、孤独な子育てを経験。現在は育児をしながらヨガインストラクターとして活躍し、同じように子育てをがんばるママたちの居場所づくりに力を注いでいます。

宮城県から沖縄移住。見知らぬ土地での子育てと孤独

2018年、結婚を機に沖縄へ移住した新里さん。ほどなくして第一子を出産しましたが、そこで待っていたのは想像をはるかに超える孤独な日々でした。

「移住して1年くらいで出産したんですけど、とにかく孤独でした。友達は1人もいないし、地元の友人もまだ出産してる人が少なかったので、子育てを相談できる人がいなかったんです。不安や孤独でストレスがたまって、夫との衝突も増えて…」

言い合いがエスカレートし、思わず家出することもあったとか。でも、実家も遠くて簡単には帰れない。誰にも悩みを打ち明けられず、ただ静かに心が沈んでいくような感覚だったと言います。

「赤ちゃんとの生活は、毎日が同じ作業に思えてつらかった。出産前は子どもと一緒にいる時間をなるべく長くとりたいと思っていたんですけど、当時は孤独な育児が耐えられなくて、予定より早めて保育園に入園させたんです」

 

沖縄の文化との違い、移住者の壁に悩んだ日々

「沖縄移住=憧れ」と見られがちですが、実際に暮らしてみると、思わぬカルチャーギャップに戸惑うこともあったと言います。

「地元の人たちと、一線を感じることが多かったです。例えば、支援センターでも地元のママ同士で来ている方が多くて、なかなか会話に入りづらくて…。最初は孤独を強く感じました。

寂しさが募るたびに、『やっぱり地元に帰りたいな』と思っていました。少しずつ寂しさに慣れてきても春になると決まって、地元の桜が見たいな…と思うんです。不思議だけど、毎年そんな気持ちになります」

宮城県仙台市、榴岡公園の桜

 

孤独から救ってくれたのは、もともと好きだったヨガ

「赤ちゃん中心の生活で身も心も疲れちゃって。育休中は、時計の針が止まったように感じる日々でした。自分の時間がないのがつらかったんです。そこで思い出したのが、独身時代に好きだったヨガでした」

義母や夫に預けられる時だけ通うヨガ。頻繁には行けなかったけれど、効果は絶大。

「久しぶりに体を動かせて気持ちよくて。体の不調も戻ったし、何なら少し痩せたんですよ(笑)でも、一番良かったことは心がすっきりしたんですよね。

ママって、子どもを預けるのに理由が要るじゃないですか。病院とか用事があるとか。だから『体調を整えに行ってきます』って用事を作って一人で行動できるこの時間だけが、すごく救いでした。

ヨガって、ただポーズをとって体を動かすだけのものではなくて『自分の心と向き合う時間』をつくるものでもあるんです。だからこそ、気づかないうちに心の持ちようが変わっていって。

一言で言うと、以前よりもずっとポジティブになれた気がします。心に少し余裕が生まれたことで、夫との衝突も少しずつ減っていきました(笑)家庭でイライラすることがグッと減ったのは、自分でも大きな変化だと感じています」

 

資格取得、そして副業から始まったヨガ講師の道

ヨガを通じて心と体のバランスを取り戻していった新里さん。しかし仕事に復帰したあと、モヤモヤは再びやってきます。

「広告会社で営業をしていたんですけど、時短勤務にしたことで営業から外されてしまって。時短でも働けることはありがたかったけど、希望の業務ではなくてやりがいが失われてしまって…。
しかも、夜遅くまで働く男性同僚は時短で帰る私のことを良く思っていなくて、ブツブツ嫌味を言われていました。

毎日、家で夫に仕事の不満をこぼしていたら『そんなにイヤなら好きなこと仕事にしたら?』って言ってくれたんです」

この言葉が転機に。ヨガ教室で行われていた夜間のインストラクター養成講座に通い、半年間みっちり勉強。

「夜の講座に通うために、夫と毎日スケジュールを調整してました。仕事が終わったら子どもを迎えに行って、ご飯を食べさせて、家事をして…。寝かしつける時間くらいに、夫とバトンタッチ。

仕事と育児と学びの両立は本当に大変でしたが、家族の協力のおかげでなんとか乗り切れました。この時期が一番忙しかったかも。でも、すごく充実してました」

 

赤ちゃんと一緒に通える、こだわる理由

無事インストラクターになってからは、平日は仕事、週末は生徒として通っていたヨガ教室のクラスを担当。

その後、第二子を出産。育休中に、自宅出張スタイルで1人でヨガ教室をスタートしました。やがて生徒からの希望に応え、会場を借りての教室スタイルに変更。そこから少しずつクラスも増えていきました。

「私自身、育休中にもっとたくさんヨガをしたかったんです。でも、子どもを預けられる日は限られていて、日中はひとりで過ごす時間がすごく長くて…。だから『赤ちゃんと一緒に通える場所があればいいのに』と強く思ったことが、この教室を始めたきっかけです。

“子連れOK”のヨガクラスもたまにあるけど、自分だけが子連れだとやっぱり気を遣ってしまって…。だから私は『みんな子連れで来る』ことを前提にした、ママが気兼ねなく通える環境をつくりたかったんです。

“子連れOK”ではなくて、“みんな子連れ”。これが、私の教室で一番大事にしていることです。

レッスン中、赤ちゃんがママにぴったりくっついて離れないこともあります。でも、それでもいいんです。私自身、産後のヨガで心も体も本当に救われたので。あの頃の私のように、なるべく家にこもらず、自分のために出かけられるママが一人でも多く増えて欲しくて」

 

ヨガ教室が居場所になった。そんなママたちの笑顔が原動力

やっててよかったと思う瞬間は、ママたちの感謝の声を聞いたとき。

「腰痛が治ったとか、整体にいかなくてもよくなったとか、うれしいですよね。でも一番は、ここが居場所になってますって言ってくれること。レッスンの合間に、ママ同士で育児の悩みを話してる姿を見ると、本当にやっててよかったと思います」

新里さんが運営するヨガ コーラルでは現在、4名の講師がおり、全員ママ。講師も赤ちゃんを連れてクラスを担当しています。
以前、講師をしていた方が沖縄県外へ引っ越したそうですが、そこで同じように親子ヨガ教室を立ち上げました。これは、新里さんにとって本当に嬉しい出来事だったようです。

「私の活動が、別の地域でもまた誰かの居場所になっているんだって思ったら、心からうれしかったです」

コーラルの講師とそのお子さんたち

 

ママの居場所をもっと増やしたい

現在4か所のレンタルスペースを借りてクラスをひらいていますが、今後はスタジオを持つという夢があるそうです。

「会場を間違えるママがいたり、駐車場が不便だったり…。場所が固定されればもっと安心して通えるし、認知も広がるかなと考えています。1年以内を目標にがんばっていこうと思ってます。」

また、支援センターや公民館での低価格・無料のレッスンも増やしていく予定とのこと。

「正直、今来てくれてるママたちは少しでも“心に余裕がある人”なんです。でも、本当に届いてほしいのは、そこにすら来れないママたち。

かつての自分も、家から出るのさえしんどかった時期がありました。だからこそ、気軽にふらっと来られて、ママ自身が私が居ても大丈夫な場所があるって感じられる、そんな場所を届けていきたいんです」

 

「孤独だったあの頃の私へ」今の私からメッセージ

初めての育児。不安だらけで、どうにかなりそうだけど…。
その不安は子どもに向き合ってる証拠だから、大丈夫だよ。

情報を集めていけば、その不安を和らげてくれる場所、孤独感を救ってくれる場所って、実はたくさんあるんだよ。安心して。

そして、未来の私は…なんと3人目を産んで、子どもと一緒に産後ヨガ教室を開いてるの。
そんな未来、あの頃のあなたは想像してた?

そのきっかけをくれたのは「やってみなよ!」って背中を押してくれた夫。
今、あなたが毎日のようにケンカしてる相手ね(笑)
嫌なところばかり目についてるかもしれないけど、人生のパートナーとしては間違ってなかったよ。

ヨガを学んで、仕事にして、私は本当に良かったと思ってる。
心の持ち方も変わったし、今ではまわりにたくさんの“戦友”(ママたち)がいて、孤独なんて1ミリも感じない。むしろ「たまには一人にさせて〜!」って思うことの方が多いくらい(笑)

好きなことを仕事にしたら、毎日が本当に楽しくて、考えることひとつひとつがワクワクするんだよ。あっという間に時間が過ぎていく。

そんな未来を迎えられたのは「できない理由」じゃなくて「やる理由」を探してくれたあなたのおかげ。お金がないから、子どもがいるから、ってあきらめるのは簡単だけど、あなたは諦めずに一歩踏み出してくれた。

過去の私、本当にありがとう。

 


以前にご紹介した、体験レッスンレポートもチェックしてみてください!

▼中南部 | 産後ケアにもおすすめ!赤ちゃんと通えるヨガレッスン「Yoga Coral」

https://www.mamamone.okinawa/post-1911/

INFORMATION

店名:

赤ちゃんと通えるヨガ教室 Yoga Coral(ヨガ コーラル)

営業時間:

午前10時30分〜11時15分
午後13時〜13時45分
那覇(真嘉比・奥武山)、南風原、西原にて開催
※オンラインクラスも開催中

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。