CHOICE | 北谷町議会議員 仲宗根 由美さん インタビュー
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CHOICE | 北谷町議会議員 仲宗根 由美さん インタビュー
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「私らしく」活躍しているママたちに会ってみたい!
彼女たちが今に至るまで、どんな選択や決断をしてきたのか。
「CHOICE」は、沖縄で活躍する女性に焦点を当て、ママとして、
そして一人の女性として毎日を全力で楽しむための
「秘訣」を紹介するインタビューシリーズです。
仕事や家庭、育児など、日々の生活の中で奮闘する女性たちにとって、
少しでも前向きに過ごすためのプラスαのヒントをお届けすることを目的としています。
同じ境遇で頑張る皆さんが共感でき、
すぐに実践できるようなアイデアやアドバイスを引き出し、
ポジティブなエネルギーを広めたいと考えています。
第2回目は、北谷町議会議員の由美さんにプライベートと議員、
両輪で活動する原動力を伺いました。
母親目線でより良い社会を目指す「ママ議員」の思いとは
今に至るまでの過去の話
——私と由美さんが知り合ったのはちょうど2021年頃、世の中がザワザワしていた頃でしたよね
そうですね!確かにザワザワしていましたよね。
でもあの出会いがきっかけで今このインタビューを受けているなんて、想像もつきませんでした。笑
今回こうやってお話をする中で、改めてお互い成長を感じますね。
——本当ですよね。あの当時から由美さんは北谷町を拠点に活動されていたと記憶しています。
きっかけは、2020年に初めて参加したPFASの勉強会で、それから友人と一緒に自分ができることを活動していました。ちなみにPFASは有機フッ素化合物の総称で、1万種類以上の物質があるとされているんです。そのPFASの中でも『PFOS』が沖縄県の水道水から高い数値で検出されたと、テレビや新聞などで報じられたので、皆さんも聞いたことがあるんじゃないかと思います。
——たしかにそうですね!県内メディアで大きく報じられてましたね!私もそのタイミングで知りました。
その時はまだ育休中だったのですが「私が今できるベストな行動はなんだろう?」と常に考えていたし、地元北谷町を拠点に友人と一緒に地道な活動を続けていました。
「ママ議員」誕生秘話
——北谷町の議員を目指そう!と思ったきっかけやタイミングを教えてください
2022年の4月にPFAS県民大会が開催されて、ジョン・ミッチェルさんというジャーナリストが、「僕がこれまで調べてきた環境汚染の中で、PFASが最も深刻で問題が広範囲に渡る」と話されていました。それを聞いて、「もっとPFASの深刻さを伝える方法があったかもしれない」という後悔が湧き上がり、それが北谷町議会議員を目指す原動力になりました。あれがひとつのターニングポイントですね。
——すごい決断ですね!その行動の原動力を教えてください。
先ほどの話の続きにもなるんですが、もっと多くの皆さんに知ってもらうために自分ができる選択肢の一つに、「議員になってこの水の安全性についての問題を議会で取り上げる」というのがあったんです。この社会を良くするにもいろんな選択肢があると思うんですが、議員だけが社会を変えられるわけじゃなくて、色んな立場で色んな人たちが社会を変える選択とパワーを持ってるって私は思っています。
——まさにこのインタビュー連載のタイトルの「CHOICE」=選択とリンクしますね
今日に至るまでたくさんの選択を選んできたんですよね、私たちって。
「本当にこれで良かったのかな?」って悩みながら進んできたことも少なくなくて、
だからみんなが選択してきた背景や、その時の想いはきっと共感できる部分があると思います。
——選択というワードでピンときたんですが、まさに選挙の投票も選択ですよね!
今は当たり前に女性も選挙投票ができますが、かつて女性には選挙権がなかった時代があったんです。その当時の方達が参政権を得るために行動してきた時間や努力を私たちは享受しています。
今当たり前に感じることも、昔の方からしたら、必死で手に入れたかった理想の未来だったのかもしれない。そんな恵まれた環境に自分が生きていられることに感謝です。
また、私たちも次世代の子どもたちにバトンパスをする際に「ありがとう」って思われる側になりたいなとも思います。そのためには自分の置かれている環境を打破したり、自分の殻を破ることや、自分の可能性を信じて行動することが大切だなって痛感しています。
——「選択」の次は「行動」。この繰り返しで叶えたい未来を作り上げる。由美さんが当選した時の心境を伺いたいです。
開票所にいた知り合いから「由美さん、おめでとう!」という電話をいただきました。
その時は、本当に自分が当選したんだ!っていう感謝が込み上げてきました。
ずっと二人三脚で走ってきた友人の存在はすごく大きかったです。
これからもずっとそばにいてほしいですし、もうこの出会いは奇跡だなと思っています。
「ママ」としての自分、「私」としての自分、「議員」として自分
——毎日が忙しい中、「ママ」として家族と過ごす時間はどの様に作っていますか?
朝ご飯、お迎え、夕ご飯、お風呂、寝る時間など、日常生活の中で家族と過ごす時間のリズムをなるべく崩さないようにしています。仕事の時間が家族との時間に食い込まないように、周りに理解を求めるなどしています。
——一方で自分時間の確保はどう工夫されていますか?
子どもたちが習い事に行っている時間や、子どもたちの就寝後に自分の時間を設けています。
しかし、その時間でさえも仕事の作業になってしまうことが多々あります。
自分の時間をしっかり作って心を充実させることが、子どもたちの成長や、自分の仕事にも良い影響を与えると思うので、これから新しいスケジュール管理の方法を試してみようと思っているところです。
—— なるほど。これらを踏まえた上で、由美さんが大事にしている「マイルール」を3つ教えてください
そうですね…3つ挙げるとしたら、
1. やりたい・会いたいと思ったら行動に移す
2. 誰にも見えない(表面化されにくい)ことこそ、大事にする
3. 自分の置かれている環境が当たり前にあるものではないことを自覚し、感謝を伝える
この3つは自分の中で大切にしています。
ママたちに向けてのメッセージ
いつも本当にお疲れさまです。終わりのない無償の家事労働、次々と迫ってくる保育所や学校に関連する作業や行事、子どもたちの機嫌に合わせた対応や声掛けなど、あげたらキリがないほど
毎日お母さんたちは色々なことをこなしていると思います。声を大にして言いたいです!
「私たちは本当に頑張ってる!」私は、私の家事育児には改善の余地があると感じています。
多くのお母さんたちと繋がって、どんな風に家事育児をこなしているのかぜひ教えてもらいたいです。
話は変わりますが、私は今年(2024年10月)、スイスの国連やドイツに行きました。
そこでの経験を通して、私たち沖縄に住む女性たちには、まだ発揮できていない能力や可能性があるのではないかと感じました。女性の地方議会議員として、1人ひとりが自らの能力や可能性に気づき、それを発揮できるような社会の実現を目指していきたいです。
そのためにも、日ごろから、社会や政治の在り方等について気軽に意見交換する必要があると考えています。もしそのような場があれば、ぜひ声をかけてもらえると嬉しいです。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。